有名漫画家 のたうちまわる感情の中で サビアンシンボル蠍座11度

1・サビアンシンボル蠍座11度 救助される溺れた男

 

蠍座11度:救助される溺れた男
SCORPIO11:A drowning man rescued.

sabian symbols scorpio 11

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一見気になるシンボルですが、この太陽の持つ有名人は濃い方ばかり。

その中でも私が良く読んだ、手塚治虫先生のサビアンシンボルを見てみたいと思います。

手塚先生は鉄腕アトムのような「機械の未来」を描いていました。私は「火の鳥」の中のヒューマン型ロボットの話も思い出します。ブラックジャックの中でも機械になった医者vsブラックジャックの話もありました。Aiという言葉を聞くようになった時代ですが、未来を読み取っていたのでしょうか・・・・。全体を見てみましょう。

 

sabian symbols 10planets reading

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太陽は蠍座11度。彼は水が好きだったのでしょう。好きで好きでどっぷり浸かっていたのに、信じすぎて溺れてしまった。これは水という感情というシンボルで考えると、その感情に強くからめとられるような感情の度数。

感情は他人の関係において沸騰したり冷めたり枯れたりします。なのでこの度数はそのダイナミックな動きを起こし、相手にも揺さぶりをかけていける才能が大きくあるシンボルだと思います。そしてうまくいかなければ一蓮托生、一緒に水に沈むぐらいの気合があります。

鈴木敏夫氏のインタビューは手塚治虫先生の意外な「人間くさい」一面を話されています。嫉妬深かったそうなのです。藤子不二雄が初めて会った後、仕事が手につかなかったという発言もあり、とても感情の波が激しいのではないかと思います。

 

 

2・十字架が多すぎる〜エゴを越えた大きな信念体系

 

ぱっと見「十字架・キリスト関係・墓場が多い〜〜〜!!」という感じですね。十字架はキリストが人類の罪を背負い磔になったものです。キリスト教の方にとっては、敬い崇めるもの。

冥王星:蟹座 19度:結婚の儀式を遂行する司祭
CANCER19:A priest performing a marriage ceremony.

sabian symbol cancer 19

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結婚というめでたい場でその式をつつながなく進行し、二人を祝福する役割です。司祭はカトリックの聖職者です。

司祭の仕事はその昔地域社会において、人間の誕生からその死までに関わる仕事です。蟹座の地域社会は人の生と死が詰まっている。その中で結婚は新たな命の生まれる大事な儀式。命の誕生の喜び・生命の力・・そのようなものを見守る度数なのかもしれません。

海王星:乙女座 2度:掲げられた大きな白い十字架
VIRGO2:A large white cross upraised.

sabiansymbol image virgo 02

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ここでも大きな十字架があります。エゴを越えた大きな宗教的な概念に奉仕する度数。決める時はそのルール。困った時もその信念体系にいれば助かることもある・・・。これこそまさにひざまずき十字架を崇めている絵になっています。

手塚治虫先生にはどんな信念があったのでしょうか。他のからも考えてみましょう。

 

土星:射手座 17度:復活祭の日の出の礼拝
SAGITTARIUS17:An Easter sunrise service.

sabiansymbol image Sagittarius 17

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復活祭。この英文で検索すると、日本でいう「初日の出」みたいな感じでみんなで復活祭の朝の日の出を見ることもあるようです。死と再生。再生を祝う。

この人物は医師免許を取っている人ですが、その経験のベースに「ブラックジャック」を描いていると思います。自然の摂理で死んでいく命だとしても、それでも助ける・・・・という姿勢がブラックジャックには貫かれています。

死んでいくからこその生命の輝き・・・を憧れ求めているのが手塚治虫先生の核にあるような気がします。

 

3・二人揃った未亡人 右側の暗さ

 

木星:牡牛座 5度:開いた墓の前にいる未亡人
TAURUS5:A widow at an open grave.

sabiansymbol image taurus 05

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金星:射手座 13度:明るみに出る未亡人の過去
SAGITTARIUS13:A widow’s past brought to light.

sabiansymbol image Sagittarius 13

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旦那さんに先に逝かれた未亡人は何を思うのでしょうか。寂しさや苦しみ・・・もしくは反対の解放という気分を味わう人もいるかもしれません。

widowという語源は別れる・・という意味らしいです。

サビアンシンボルでは両方とも「暴かれる」というようなイメージがつきまといます。牡牛座は墓なのですがこれは無くなった旦那の墓なのでしょうか?彼のまた自分の持っている資産がどれぐらいあったのか改めて見ている。。使い尽くしたのか?まだたっぷりあるのか?

射手座の未亡人は秘密めいた過去が明るみにでてしまいます。その過去とはなんでしょう。夫婦関係なのでしょうか。射手座は策略をあれこれ考えますが、それが今になってわかってしまうのでしょうか。

過去をもっと大きく捉えると自分の記憶ということでもあります。前世の記憶・・輪廻の記憶・・・そのようなものを呼び覚ますというシンボルでもあると思います。

作品の「火の鳥」を思い出します。壮大な輪廻のストーリーを、手塚治虫先生は、深く紐解いて、表現していたのかもしれないと感じるのです。永遠に輪廻する命。時間は過去と未来を行き来し、どこからどこがお話のつながりなのかわからなくなる、メビウスの輪のようなストーリーの展開。

 

 

4・内面の子供らしい純粋さ・単純さ

さて左側は明るいシンボルも見えますね。

天王星 牡羊座 5度:羽のある三角形
ARIES5:A triangle with wings.

Sabiansymbol aries 05

Sabiansymbol aries 05

3の生産原理に羽が生え飛翔する。生み出すということのシンプルな原理を知り尽くしていたのではないかと思います。この人物の多作なエネルギーを感じさせます。

 

蟹座 9度:水の中の魚へと手を伸ばす小さな裸の少女
CANCER9:A tiny nude miss reaching in the water for a fish.

sabiansymbol cancer 09

sabiansymbol cancer 09

知らない世界に対して好奇心を持ちつつ、恐る恐る純粋につながりを求めようとする度数。知らない世界に対して実は貪欲に関わりを作るのでしょう。少女だからとても純粋。

天秤座 24度:蝶の左側にある3番目の羽
LIBRA24:A third wing on the left side of a butterfly.

sabiansymbol libra 24

sabiansymbol libra 24

見えないオーラのようなエネルギーに敏感な度数。その見えないものへの重要さを知っている度数。現実は見えない粒子・・いつも変化するものによって成り立っていることを深く自覚する。

 

 

5・のたうちまわる感情の行方

 

手塚治先生の作品は多すぎて全部は読んでおりませんが、その中からかなりびっくりした作品が「ばるぼら」という作品。

作品は作家の内面だとも思っているので正直こんな面もあるのかいな?と思ったのですがね・・・主人公は小説家で、「異常性欲者」として設定されているのであります。でもヘンタイ描写はなかったですよ。確か。

これは手塚治虫の内面のエネルギーの元なのでしょう。異常とも言えるぐらいの相当に激しい蠍座的な「欲」を持って作品を作り続けていたのではないかと思うのです。どうせ死に向かうのなら地上ですべてを経験しきって去っていきたいと思っていたのではと思うのです。

それで「ばるぼら」の話しですがある日、この主人公が汚らしい少女を拾うのですが、その彼女が芸術のインスピレーションをあたえてくれる存在となっていくのです。この少女がばるぼらという名前。最後はその少女ばるぼらは死んでしまい・・・・素晴らしい小説を彼は書くのだけど、ミューズがいなくなりすっかり人生が変わってしまった・・・・。というような内容。

手塚治虫先生のドラマの世界は感情の世界が縦横無尽に張り巡らされている。喜びも、悲しみも、憎しみも、やるせなさも、虚しさも、憤りもすべてすべて・・・日常に感情が浮き上がる1瞬を漫画のたったの一コマで表現している。まるでそれは万華鏡のように1瞬はなかなく形をつくり、その次の瞬間にはまた違った様相を見せる。

太陽のサビアンシンボルでもある、溺れるぐらいの激しい感情のエネルギーは、周囲の十字架があることで制御されていたのではないかと感じます。十字架は大きな真理。宗教的な信念。

人は死にゆくものだが魂は死なない。宇宙から見たら、いっときの瞬間を人は生きている・・・・というような大きな大きな客観的視点です。

そこから見ることで、心の中で吹き荒れる嵐を冷静に観察し、作品へ昇華できたのだと思います。

 

 

 

 

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